伝統のあるまち、東京都国分寺市はどんどん進化しています
東京都の地図を広げたとき、ちょうど中央部に位置するのが国分寺市です。人口は約12万人(2014年現在)。この国分寺市がいま、大きく変わろうとしています。
国分寺市は、東京都の市区町村のなかでは、しばしば歴史散歩や農業体験、ハケという特徴のある地形の学習や散策などをテーマとしたテレビ番組や新聞記事で昔から取り上げられてきました。
国分寺市内にはJR、私鉄の駅が複数あり、路線バスやコミュニティバスも利用者が多く、いわゆるベッドタウンのイメージと、昔ながらの農家や緑地、雑木林や史跡の多い伝統のあるまちというイメージが共存しているといえます。
その国分寺市のいちばんの繁華街である、JR国分寺駅の北口再開発工事がようやく本格的に始動し、数年後には住居部分と商業施設や図書館などの公共施設を併設した複合的な高層ビルが完成する見込みとなっています。
東京都内では、いわゆる駅前再開発があちこちで進められています。国分寺市もその一つの例といえるでしょう。道幅が狭くて緊急車輛の走行がままならなかった国分寺駅北口ですが、駅改札付近のバリアフリー化も東京都内のほかの多くの駅と同様に改良工事が進められており、国分寺市民のみならず国分寺駅の利用者にとって利便性や安全性がより高いまちへと、その進化が期待されています。
他方で、国分寺市には今後の課題も少なくありません。たとえば、保育所待機児童が多いことや市内に救急医療機関が少ないことなどです。急速に進展した少子高齢化や共働き世帯の増加に伴う社会的基盤整備の遅れは、全国的にみられることであり、特定の自治体に特徴的なことではありません。
市では緑地などの自然保護を大事に保存していこうとする主張が強いのですが、駅前再開発のような商業施設の新設など、新たな都市計画と伝統のあるまちづくりとの共存の今後の取り組みには大いに注目していきたいものです。